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名作コミック待望の舞台化!三又忠久 企画・主演・プロデュース
「お~い!竜馬」青春篇 2006年8月2日~7日 シアターサンモール
「お~い!竜馬」とは故司馬遼太郎氏の大作「竜馬がゆく」をベースに、武田鉄矢氏が竜馬の幼少時代にスポットを当ててストーリーを創り上げ、漫画家・小山ゆう氏が作画した名作。
舞台「お~い!竜馬」青春篇とは三又忠久(現 三又又三)(オフィス北野)が竜馬を愛するキャストや関係各所に交渉を重ね、
マッチョドラゴン旗揚げ公演 「お~い!竜馬」青春篇 概要2006年8月2日(水)~7日(月) 9公演
協賛 ㈱青山メインランド、ab Group,㈱T・M・Jグループ、㈲テンプレート,シュートボクシング協会 貧しくて、名もなくそれでも懸命に生きる青春は美しく尊いものです。 武田鉄矢
「お~い!竜馬」は、『激動の幕末に名を刻んだ志士達も、現代に生まれたならば、 小山ゆう
パンフレットより
36の夏、大好きなハイロウズが、下北の小さなライブハウスで、
ライブをやると聞き僕は驚きました。
なんでもその年のハイロウズは、いつもやってる大きなホールではなく、
あえて小さなライブハウスを回る原点回帰的なツアーを組んでいたのです。
近くでハイロウズが見れる!
まよわず僕はチケットを予約しました。
その当時の僕は、ワクワクすることに飢えていたのです。
16の時に小さなライブハウスで見たルースターズ。
深夜のラジオから流れてきたビートたけし。
思春期真っ只中のあの時に感じたワクワクを、
全部をひっくり返されるようなワクワクを、僕はハイロウズに期待していたのです。
だって、そのワクワクに価値観をひっくり返されたからこそ、
僕は東京に上京し、たけし軍団に入ったのだから。
もー何年もあの時のような気持ちを味わっていない。
その当時の僕は、重度のワクワクインポにかかっていたのです。
大好きなハイロウズを生で、近くで見れば、何か新しい衝動へと僕をつき動かせてくれるんじゃないか?
そんな期待を胸に、強引に自分を無理から盛り上げ、
下北沢のライブハウスへ、開演の4時間前に足を運び、
整理券8番をゲットして、ヒロトの汗が飛んでくる一番前で、
ハイロウズが出てくるのを待ちました。
シンプルで、余分なもの、無駄なものなどまったく無いライブが始まり、
目の前で跳ぶヒロト、がなるマーシーはもちろん最高でした。最高だったけど・・・
僕が期待していたあのワクワクは、
心臓をつかまれるようなあのワクワクは襲ってきませんでした。
死ぬほどはしゃいでいる周りの若いファンに囲まれて、僕は力なく拳をふり、
「好きなバンドのライブでもやっぱりダメか、僕のワクワクインポはどうにもならいのか・・・」
少し寂しくなってのです。
それはいきなりの出来事でした。ライブも中盤にさしかかり、
「不死身のエレキマン」が始まった。その唄のサビを聴いた瞬間、
僕の細胞がいきなり動きだしたのです。
バッコーン!
20年眠っていた僕の細胞が、体の中で音をたててはしゃぎ回り、
溜まりに溜まっていた脳内のドーパミンがすべて放出され、
もー僕は何がなんだかわからなくなっていました。
この歌詞が僕を、16歳に引き戻したのです。
「自分が自分の世界の主人公になりたかった子供の頃から憧れていたものになれなかったんなら
大人のフリすんな!第一希望しかみえないぜ 不死身のエレキマン」byハイロウズ
気がつけば、誰よりも高く拳を突き上げ、
酸欠寸前で頭を振りまくってる僕がそこにいました。
うわー!ルースターズを見てぶっ飛んだ時より興奮してないか?
完全に何かがひっくり返りました。
でもなんで急に?
「不死身のエレキマン」はもちろん大好きな唄で、
CDで何度も聞いていた、それなのになんで?
帰宅した僕は、歌詞カードをじっくりと、何度も何度も読み返したのです。
やられた!
今までわからなかったその唄の意味が、その日僕は、はっきりとクリアに見えたのです。
ビートたけしに憧れて東京へ出てきた僕。
ビートたけしに近づいたことに満足していた僕。
主役なんかになれてない僕。
それでもなにもせずに大人しくしていた僕。
この唄は「不死身のエレキマン」は僕の唄じゃないか!
何かしなきゃ、とりあえず動かなきゃ!
でも何をすればいい?
ワクワクしたけど、心臓はがっちりつかまれたけど・・・
何をしたらいいかわからなかった僕は、とりあえず床屋へ行き
「坊主にしてください、ヒロトみたいに坊主にしてください」
「えっでもミマタさん、その長い髪は金八先生のものまねをやるときの商売道具でしょ」
「いいんです!」
まずはかっこから入った。
ルースターズを初めて聞いた次の日、ラバーソウルを買った時と同じように。
で、髪の毛は切ったけど、だから何を?具体的に何をすればいいわけ?
そんな時、何気なく入った本屋で『おーい!竜馬』を大人買いしたのです。
その日一日のんきに漫画でも読んで、のんびり過ごそうと軽い気持ちで本を開きました。
「あったあった!ここにあった!見つけたぞー!」
外へ出て「僕みつけたんですよ」なんて、知らない人に言って回りたいぐらいに、
僕は興奮していました。
そして僕は、僕の舞台を作り主人公になることを勝手に決めたのです。
16の時「俺はビートたけしなる!」と勝手に決めたように・・・
はじめの一歩は、宮川大輔に声をかけました。
「今度、舞台で『お~い!竜馬』をやりたいんだけど中岡慎太郎役をやってくれないか」
「やるやるって簡単にいってはるけど、ミマタさん舞台をやるって大変ですよ、
わかってます?権利はどうすんの?会場は?で、いつ頃?他のキャストは?」
そうだった、僕はまだ何一つ決めていなかったのです。
よーし、大人のフリなんかしてられねーや!
それからの僕は、もー会う人会う人に「今度『お~い!竜馬』の舞台をやるんです」
そう言ってまわった。
舞台など製作したことのない僕を、大半の人は鼻で笑いながら、
「いきなり舞台って、無理でしょ」「っていうか客入るの?」
そんな反応だった。あれれれ?この感じ、この鼻で笑われてる感じ、
なんか知ってる、前にも一度こんな感じ味わってるぞ。
あっそうだ!16の時だ!仙台の片田舎でビートたけしに憧れ
「俺、高校卒業したら東京へ出てたけし軍団に入るんだ」なんて、
なんの根拠もないのに、そう言って回っていた、
あの時の僕の周りの反応とまったく一緒じゃないか!
だったら20年前と同じように見る前に跳んでやれ!
僕にはもう、第一希望しか見えていなかったのです。
そして、武田鉄矢さんに会いに行き僕は言いました。
「舞台で『おーい!竜馬』をやりたいんです。僕はまず何からはじめたらいいですか」
「ミマタ、矢沢永吉だよ『成りあがり』だよ!」
武田さんの口から矢沢永吉?『成りあがり』?少しびっくりした。
びっくりしたけど『成りあがり』だったら僕の大好物な本です。
あの本が僕に教えてくれたことは、
がむしゃらにやるってこと、かっこなんかつけずに突っ走れ!ってことだった。
あっ、ハイロウズと一緒だ「大人のフリすんな!」ってことじゃん。
そして小山ゆう先生からは「ミマタ君、10年出来る?やるからには10年続けられる?」
何も考えずに東京へでてきたあの時のように、僕は腹をくくるしかありませんでした。
でもそれって誰のため?自分のため。
なんで?好きなことやって誉められたい!
そして、本当にワクワクしたい!
それに、やったらきっとセックスより気持ちいいに決まってるから・・・
で、やってみたらほんとに気持ちよかった!
それが去年の『お~い!竜馬』です。
16の時、ルースターズのライブで僕は強烈なパンチをもらい、
何かしなきゃ、でも何をやればいい?
そんな時、ビートたけしが、
やること、そしてやらなければいけないことを僕に教えてくれました。
あれから20年たった僕は、今度はハイロウズにパンチをもらい、
『お~い!竜馬』と出会い、また、見る前に跳ぶことが出来たのです。
今年の『お~い!竜馬』は去年より高く大きく跳んでます!
どうぞお楽しみください。
三又忠久
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